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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻4号

1978年04月発行

文献概要

今月の主題 新しい糖尿病の臨床 トピックス・病態

インスリン・レセプター

著者: 葛谷健1

所属機関: 1自治医大内分泌代謝科

ページ範囲:P.512 - P.513

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インスリン・レセプターとは1〜3)
 インスリンは体の種々の組織に対して作用を現すが,その第一歩はインスリン分子が標的組織の細胞膜に結合することから始まる.細胞膜表面にはインスリンを特異的に結合する場所があり,そこにインスリン分子がくっつくと何らかの変化が生じ,そこからの情報が細胞膜の他所や細胞内に伝えられて,インスリンの作用が出現することになる,と信じられている.この特異的結合部位はインスリン・レセプターと呼ばれ,その結合の性質について最近詳しく研究されるようになってきた.しかし,インスリンが結合してから後に,どのような一連の変化が起こって最終的なインスリン作用発現に至るのかについては,まだあまりよくわかっていない.
 インスリンを放射性ヨードで標識して,これと細胞膜との結合反応を調べる方法がレセプターの研究に広く用いられている.125I-インスリンと細胞膜との結合には,非特異的結合と特異的結合とがある.レセプターとの結合は特異的な結合であり,この反応系にあらかじめ標識していないインスリンを加えておくと,これと125I-インスリンとの間に競合が起こるので125I-インスリンの結合量が減少する.異なる動物のインスリンや,インスリンの誘導体などを用いてこの競合的抑制を起こす強さを比較すると,ほぼインスリン作用の大小に平行する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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