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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻4号

1978年04月発行

文献概要

プライマリー・ケアの実際

発熱患者の取り扱い方—塗抹検査の郊用

著者: 喜舎場朝和1

所属機関: 1沖縄県立中部病院内科

ページ範囲:P.574 - P.577

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はじめに
 発熱患者は,主に経過の長さによって大ざっぱに3種に分けられるかもしれない.第1群はかぜによって代表される急性熱性疾患で,大部分はウィルスによるもので,特異的治療薬もないのに一般に予後が良く,対症療法などで2〜3日の内に軽快してしまう.第2群は逆に経過が長く,急速には悪化も軽快もしない.FUO〔fever of unknown (undetermined) origin〕はその代表的なものであって,PetersdorfとBeesonによれば,「3週間以上続く101°F(38.3℃)以上の発熱で,1週間嵐上入院し,その原因を追求したにもかかわらず不明なもの」となるが,亜急性・慢性感染症,悪性腫瘍,膠原病が大部分を占める1,2).診断的興味を大いに湧かせるが,日々の診療で問題となる頻度は少ない.第3群は前2群の中間に属する患者群で,頻度は第1群ほどではないにしても相当数にのぼり,多くの場合,細菌感染が関与して,診断を遅らせたり誤ったりすると急速に病状が悪化する反面,適切な治療(抗生剤の選択,量,投与方法,投与期間の決定,および必要とあらば切開排膿などの外科的療法)を早期に施せば,ほとんどの場合,完全治癒に至らしめることが可能である.発熱患者の内,速やかにして適切なプライマリー・ケアが最も要求されるのはこの患者群であるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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