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今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床 消化・吸収の基礎的トピックス
消化・吸収の日周リズム
著者: 嶋津孝1
所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経化学部門
ページ範囲:P.619 - P.622
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口から摂取した食物が体内代謝の流れに入っていく最初の関門は腸管,とくに小腸での消化と吸収である.吸収された栄養素はついで肝臓に運ばれ,そこで分解ならびに再合成されて体組織の構成成分,貯蔵成分あるいはエネルギー源となる.胃液や膵液などの消化液や,種々の消化管ホルモンが周期的に摂取する食物の刺激によって分泌され,消化・吸収を助けていることは,ヒトにおいてもよく知られている.しかし,小陽の消化・吸収能や肝の代謝に日周性の変動があるかどうかを調べるためには,器官を摘出して分析する必要があり,動物実験に頼らざるを得ない.本稿では代表的な実験例として,ラットの小腸における消化酵素の日周リズムと,肝におけるグリコーゲン代謝の日周性変動について紹介する.そこで得られた知見は,おそらくヒトについてもいえる事柄であろう.また,消化・吸収の日周リズムに関する研究は,単に食物をいかに効率よく栄養素として摂取するかという栄養学上の問題にとどまらず,臨床的にも投与した薬物の治療効果をあげる上で重要視されるようになってきた.
口から摂取した食物が体内代謝の流れに入っていく最初の関門は腸管,とくに小腸での消化と吸収である.吸収された栄養素はついで肝臓に運ばれ,そこで分解ならびに再合成されて体組織の構成成分,貯蔵成分あるいはエネルギー源となる.胃液や膵液などの消化液や,種々の消化管ホルモンが周期的に摂取する食物の刺激によって分泌され,消化・吸収を助けていることは,ヒトにおいてもよく知られている.しかし,小陽の消化・吸収能や肝の代謝に日周性の変動があるかどうかを調べるためには,器官を摘出して分析する必要があり,動物実験に頼らざるを得ない.本稿では代表的な実験例として,ラットの小腸における消化酵素の日周リズムと,肝におけるグリコーゲン代謝の日周性変動について紹介する.そこで得られた知見は,おそらくヒトについてもいえる事柄であろう.また,消化・吸収の日周リズムに関する研究は,単に食物をいかに効率よく栄養素として摂取するかという栄養学上の問題にとどまらず,臨床的にも投与した薬物の治療効果をあげる上で重要視されるようになってきた.
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