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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻5号

1978年05月発行

文献概要

今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床 吸収不良症候群

慢性膵炎にみられる吸収不良症候群

著者: 若杉英之1 木村寿成1

所属機関: 1九大第3内科

ページ範囲:P.660 - P.663

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発症機序
 ヒトが摂取する食物の主要栄養素である蛋白質,脂肪および含水炭素は,いずれもその大部分は消化されたあとにpeptide,アミノ酸,脂肪酸,monoglycerideおよび単糖類として小腸から吸収される,一部は唾液amylase,胃lipase,pepsin,小腸disaccharidase,peptidaseなどの酵素も関与するが,大部分は膵外分泌液中の諸酵素により消化される.主な膵酵素を表1に示した1).蛋白分解酵素はzymogenないしproenzyme(trypsinogen,chymotrypsinogen,proelastaseおよびprocarboxypeptidase A,B)として不活性の状態で膵組織で生成され分泌され,十二指腸粘膜細胞のbrushborderに存在するenterokinaseによりtrypsinogenがtrypsinに活性化され,次いでtrypsinはchymotrypsinogen,proelastase,carboxypeptidaseなどを活性化し,またtrypsinogenはtrypsinによって活性化される.phospholipase Aも不活性の状態で分泌され,蛋白分解酵素により十二指腸内で活性化される.lipaseは水溶性であり,水-脂肪の境界面に作用するので,乳化によるこの境界面の増大が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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