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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻5号

1978年05月発行

今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床

吸収不良症候群

日本におけるスプルー

著者: 平塚秀雄1 後町浩二2 豊田利男3

所属機関: 1平塚胃腸病院 2平塚胃腸病院外科 3平塚胃腸病院内科

ページ範囲:P.664 - P.668

文献概要

はじめに
 「日本におけるスプルー」という大変に大きな,しかも意義深いテーマを与えられた,"大きな"といっても,わが国での報告例は極めて稀であるので,数のうえでのことではない.従来,原発性吸収不良症celiac sprueは白人にのみみられる疾患であり,白色人種の血をひかない有色人種にはみられないとさえいわれてきた.それだけに,日本で報告されているこれら症例が果たして真のceliac sprueであろうかということに言及しなければならない責め,さらに食事の欧米化により今後増加する可能性が予想されることなどを併せ考えると,大変に大きな意義深いテーマといわざるをえない.
 一方,celiac sprueの多い欧米においても,その報告頻度は臨床的関心によって地方別に,また病院別に予想以上のばらつきがあり,1例もみたことがない医師もいるという.ましてやわが国においては,まず先入観として本疾患がないと決めこむことなく,強い関心を示す心構えが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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