文献詳細
教養講座・比較生物学 生命と環境との調和
文献概要
魚類における血清Ca調節機構
硬骨魚類 魚類には陸生脊椎動物に認められる副甲状腺が認められず,魚類特有の器官としてStannius小体が存在する.一方,鰐後腺は円口類以上のすべての脊椎動物に存在し,サケ,サメ,ウナギなどからCT(カルチトニン)の分離,精製が行われ,組織学的にもニジマス(Salmo gairdneri),サメ(Squalus acanthias)などに鯉後腺を思わせる分泌顆粒が存在することから,血清Ca調節機構になんらかの役割を演じていることが考えられる.
1)CTの役割:魚類にカルチトニンを投与した際の血清Caの変化については低下するとの報告と不変であるとの報告があり,現在意見の一致をみていない.すなわちChanら27)はウナギ(Anguilla lapQnica)の鯉後腺を除去すると4週間後に血清Caが上昇すること,淡水適応ウナギIA. Anguilla)にブタCTを投与すると血清Caが低下すること28)を報告しており,Louwら29)はナマズ(lctalurus melas)にブタCTを注射すると1時間後に血清Caが明らかに低下すると述べている。一方,Pangら30)はFundulus heteroclitusにブタまたはサケCTを投与しても血清Caは不変であったと述べている.Coppら31)もサケにブタまたはサケCTを投与したが,血清Caの低下は認めなかったと報告している.
硬骨魚類 魚類には陸生脊椎動物に認められる副甲状腺が認められず,魚類特有の器官としてStannius小体が存在する.一方,鰐後腺は円口類以上のすべての脊椎動物に存在し,サケ,サメ,ウナギなどからCT(カルチトニン)の分離,精製が行われ,組織学的にもニジマス(Salmo gairdneri),サメ(Squalus acanthias)などに鯉後腺を思わせる分泌顆粒が存在することから,血清Ca調節機構になんらかの役割を演じていることが考えられる.
1)CTの役割:魚類にカルチトニンを投与した際の血清Caの変化については低下するとの報告と不変であるとの報告があり,現在意見の一致をみていない.すなわちChanら27)はウナギ(Anguilla lapQnica)の鯉後腺を除去すると4週間後に血清Caが上昇すること,淡水適応ウナギIA. Anguilla)にブタCTを投与すると血清Caが低下すること28)を報告しており,Louwら29)はナマズ(lctalurus melas)にブタCTを注射すると1時間後に血清Caが明らかに低下すると述べている。一方,Pangら30)はFundulus heteroclitusにブタまたはサケCTを投与しても血清Caは不変であったと述べている.Coppら31)もサケにブタまたはサケCTを投与したが,血清Caの低下は認めなかったと報告している.
掲載誌情報