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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻5号

1978年05月発行

文献概要

天地人

なるほど

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.745 - P.745

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 患者は,病に堪える人という意味で,patientと呼ばれているが,そのpatientと接していると,patienceを要求されるのは,むしろ医者のほうだと思われる場合が少なくない.
 例えば胸痛を訴える患者が来たとしよう.それが発作的にくるものであり,しめつけられるような左前胸部痛であり,しかも数分でおさまるものであれば,狭心症であろう,という見当はつく.ところが,これだけのことを患者から聞き出すのが実は至難の業なのである.胸痛の起こり方など,聞けば聞くほどあいまいな返事しか返ってこないし,胸痛の持続時間にいたっては,あるときは1日中痛かったような返事もするし,あるときはすぐよくなったような返事になることもある。「一体どっちがほんとうなんですか? サァサァサァー」と歌舞伎もどきに迫りたいところだが,そうすればするほど,患者はますますドギドキするので,ここは医者のほうがじっと我慢である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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