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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻6号

1978年06月発行

文献概要

今月の主題 免疫診断法と免疫療法 基礎知識

免疫機能と免疫不全

著者: 小林登1

所属機関: 1東大小児科

ページ範囲:P.762 - P.768

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はじめに
 人類は,地球という生態圏の中で感染症と戦ってきたし,また現在も戦いつつあり,将来も戦っていくであろう.過去における感染症との戦いで,人類は「一度かかった感染症には二度かかることはない」という事実を学んだ.その代表は天然痘である.本症は皮膚に明らかな症状を発現し,しばしば死の転帰をとるが,生き残れば瘢痕がみられるので,上の事実は古くから明らかであったのであろう.
 この体験的な事実の科学的(医学的)分析の過程で免疫学immunologyは体系づけられた.そのルーツは,Dr. Edward Jennerが1798年に発表した論文,"AnEnquiry into the Causes and Effects of Variola Vacciniae"(痘瘡牛痘の原因と効果に関する調査)であった.それは,民間に伝承されていた牛痘接種を医師として試行し,その有効性を分析し確認した臨床的な研究であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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