文献詳細
文献概要
今月の主題 免疫診断法と免疫療法 基礎知識
免疫機能と免疫不全
著者: 小林登1
所属機関: 1東大小児科
ページ範囲:P.762 - P.768
文献購入ページに移動はじめに
人類は,地球という生態圏の中で感染症と戦ってきたし,また現在も戦いつつあり,将来も戦っていくであろう.過去における感染症との戦いで,人類は「一度かかった感染症には二度かかることはない」という事実を学んだ.その代表は天然痘である.本症は皮膚に明らかな症状を発現し,しばしば死の転帰をとるが,生き残れば瘢痕がみられるので,上の事実は古くから明らかであったのであろう.
この体験的な事実の科学的(医学的)分析の過程で免疫学immunologyは体系づけられた.そのルーツは,Dr. Edward Jennerが1798年に発表した論文,"AnEnquiry into the Causes and Effects of Variola Vacciniae"(痘瘡牛痘の原因と効果に関する調査)であった.それは,民間に伝承されていた牛痘接種を医師として試行し,その有効性を分析し確認した臨床的な研究であった.
人類は,地球という生態圏の中で感染症と戦ってきたし,また現在も戦いつつあり,将来も戦っていくであろう.過去における感染症との戦いで,人類は「一度かかった感染症には二度かかることはない」という事実を学んだ.その代表は天然痘である.本症は皮膚に明らかな症状を発現し,しばしば死の転帰をとるが,生き残れば瘢痕がみられるので,上の事実は古くから明らかであったのであろう.
この体験的な事実の科学的(医学的)分析の過程で免疫学immunologyは体系づけられた.そのルーツは,Dr. Edward Jennerが1798年に発表した論文,"AnEnquiry into the Causes and Effects of Variola Vacciniae"(痘瘡牛痘の原因と効果に関する調査)であった.それは,民間に伝承されていた牛痘接種を医師として試行し,その有効性を分析し確認した臨床的な研究であった.
掲載誌情報