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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻7号

1978年07月発行

文献概要

今月の主題 実地医のための臨床細菌学 細菌学的アプローチ

検査のすすめ方—検体採取から結果の解釈まで

著者: 高橋昭三1

所属機関: 1結核予防会結核研究所細菌血清

ページ範囲:P.930 - P.932

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感染症の症状の発現
 感染の始まりは,病原微生物と宿主の食細胞の出会いである.そこで菌が喰菌され,あるものは死滅するが,あるものは増殖を始める.これが感染の成立である.
 ここに食細胞が次第に集合し,菌と食細胞の混在,食菌による菌の減少,菌による食細胞の死,菌の増加が起こる.菌数の増加は細胞の集合をさらに促進し,そこに肉眼的な細胞の集団,すなわち病巣が成立する.この時期を発病といってよい.やがて食細胞により菌は処理しつくされ,感染症は終息するか,菌がその病巣から体内の他の部位に,リンパ路,血管によって移動し,新たな病巣をつくるかのいずれかが起こる.この過程で,感染部位(原発巣)には細胞浸潤による種々の症状があらわれる.ここでくい止められなかったとき菌血症が生じ,新たな症状が発現する.すなわち,感染による局所症状は感染の第一のサインであり,限局性であり,全身症状は明らかでないことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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