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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻7号

1978年07月発行

文献概要

今月の主題 実地医のための臨床細菌学 抗菌剤感受性と耐性

β-lactamaseと薬剤耐性

著者: 横田健1

所属機関: 1順大細菌学

ページ範囲:P.997 - P.999

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はじめに
 ベニシリン類(penicillins:以下PC)とセファロスポリン誘導体(cephalosporin derivatives:以下CES)は,細菌特有の細胞壁主成分ムレイン(murein)の生合成を阻害して抗菌力をあらわすので1,2),作用点をもたない動物細胞にはほとんど影響を与えない.そこで,これらの薬剤はアレルギーの注意をすれば最も副作用の少ない化学療法剤として,今日広く臨床医学に応用されている.しかし,近年それに対する耐性菌が増加しつつあり,感染症の治療が困難になってきた.
 PCとCESはその化学構造の中にβ-lactamと呼ばれる環状の部分をもつので,β-lactam drugと総称される.β-lactamaseというのは臨床材料など自然界から得られるPC,CES耐性菌が作る酵素で,これら薬剤のβ-lactam環を加水分解により開裂し,抗菌力を失わせるものである(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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