icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina15巻8号

1978年08月発行

今月の主題 慢性骨髄増殖症候群

真性多血症など

本態性血小板血病

著者: 中山志郎1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院免疫血液内科

ページ範囲:P.1152 - P.1153

文献概要

はじめに
 基礎疾患がなく,持続的に血小板増加があるにもかかわらず易出血性を伴う疾患を,Epsteinらがhemorrhagic thrombocythemiaと報告して以来,primary, essential, idiopathic thrombocythemiaなどさまざまな名称で発表されてきたが,比較的稀とされる疾患である.
 本症は白血球系における白血病,赤血球系における赤血病のように,血小板系の非可逆性びまん性増殖により,末梢血中の血小板,ときに骨髄巨核球が増加し,骨髄では骨髄巨核球が無制限に増加する.Dameshekは血小板系の腫瘍性疾患を急性型と慢性型に分類し,前者がacute megakaryocytic leukemiaに,後者がchronic thrombocythemia,すなわち本症に該当すると考えている.本症はいわゆる骨髄増殖性疾患の一つに属するとみなされ,真性赤血球増多症,慢性骨髄性白血病,骨髄線維症などにきわめてよく似た病像を呈するが,一方,本症からこれらの疾患に移行した症例も報告されている.これらのことから本症の独立性に疑義をいだく学者も少なくなく,Gunzは骨髄増殖性疾患の一時相にすぎないと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら