文献詳細
文献概要
今月の主題 慢性骨髄増殖症候群 治療
摘脾
著者: 柴旧昭1
所属機関: 1新潟大第1内科
ページ範囲:P.1154 - P.1155
文献購入ページに移動はじめに
生理的状態下における脾の機能は,今日もなお依然として不明の点が少なくない.現在ほぼ明らかにされているものとしては,①赤血球の終末処理,②血球の貯溜と濾過,③免疫担当細胞(リンパ球,形質細胞,単球など)の産生などがあげられており,このほか④骨髄からの血球流出の調節ないし骨髄における血球成熟の調節,⑤第VIII因子の産生などが推定されていうにすぎない.したがって,摘脾の適応となる疾患も,①遺伝性球状赤血球症をはじめとする種々の先天性溶血性貧血②自己免疫性溶血性貧血,③特発性血小板減少.性紫斑病,④脾機能充進症などがあげられている程度で,本特集の慢性骨髄増殖症候群に属する疾患は,従来摘脾の適応どころかむしろ一般に禁忌とさえ考えられてきた,ところが,ごく最近になって本症候群の一部の疾患で摘脾の治療効果が見直されつつあり,積極的に摘脾術を行うところも多くなってきた.次に各疾患別に摘脾の適応と功果について述べることとする.
生理的状態下における脾の機能は,今日もなお依然として不明の点が少なくない.現在ほぼ明らかにされているものとしては,①赤血球の終末処理,②血球の貯溜と濾過,③免疫担当細胞(リンパ球,形質細胞,単球など)の産生などがあげられており,このほか④骨髄からの血球流出の調節ないし骨髄における血球成熟の調節,⑤第VIII因子の産生などが推定されていうにすぎない.したがって,摘脾の適応となる疾患も,①遺伝性球状赤血球症をはじめとする種々の先天性溶血性貧血②自己免疫性溶血性貧血,③特発性血小板減少.性紫斑病,④脾機能充進症などがあげられている程度で,本特集の慢性骨髄増殖症候群に属する疾患は,従来摘脾の適応どころかむしろ一般に禁忌とさえ考えられてきた,ところが,ごく最近になって本症候群の一部の疾患で摘脾の治療効果が見直されつつあり,積極的に摘脾術を行うところも多くなってきた.次に各疾患別に摘脾の適応と功果について述べることとする.
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