medicina15巻8号

1978年08月発行

心電図の診かたとその鑑別 臨床編・各種心疾患の心電図・2

狭心症および中間型，心筋梗塞

著者： 早川弘一¹ 前田如矢²

所属機関： ¹日本医大第1内科 ²阪市大第1内科

ページ範囲：P.1171 - P.1181

症例1 61歳　主婦
　5年前の3月上旬頃より労作時に前胸部，とくに胸骨裏面に数分間持続する胸部圧迫感を自覚するようになり，この発作は安静にすると自然に緩解した．近医より高脂血症，心肥大を指摘され，以来通院治療を受けていたが，同年の12月頃になると発作の頻度が多くなり，ときには安静時にも発作が起こるようになった．主治医から専門医による精査および治療を受けるようすすめられ入院した．