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文献詳細

雑誌文献

medicina15巻9号

1978年09月発行

文献概要

今月の主題 肝疾患のトピックス 病態生理

ウイルス肝炎の病因と経過

著者: 三田村圭二1

所属機関: 1筑波大臨床医学系内科

ページ範囲:P.1262 - P.1265

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はじめに
 黄疸が流行性に発生することは古くから知られており,Hippocratesがすでに記載しているといわれている,また,血清を介しての黄疸の流行は1885年にLurmanが最初に種痘後の黄疸の流行について報告している,そして,急性ウイルス肝炎は流行性(伝染性)肝炎infectious hepatitisと血清肝炎serum hepatitisの2つの型に最近まで分けられていた.また,1947年にMac Callumは流行性肝炎にhepatitis A(virus A),血清肝炎にhepatitis B(virus B)という用語を提唱した,さらにKrugmanら1)はWillowbrook州立精薄施設における人体接種実験から,疫学的,免疫学的および臨床的に異なる少なくとも2つの型の肝炎(MS-1型とMS-2型)の存在を確認し,それぞれ,流行性肝炎(MS-1型)と血清肝炎(MS-2型)に相当することを明らかにした,ウイルス肝炎の本態究明は,1964年にBlumbergによりオーストラリア抗原(Au抗原)が発見され,急速に進歩した.
 Au抗原陽性血の輸血が輸血後肝炎の主要な原因であることが明らかになり,さらにKrugmanらのMS-2血清はAu抗原陽性であることからB型肝炎と密接な関連が認められ,hepatitis B antigen(HB抗原)と命名された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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