文献詳細
文献概要
今月の主題 肝疾患のトピックス 問題となる肝疾患
微小肝癌
著者: 奥田邦雄1
所属機関: 1千葉大第1内科
ページ範囲:P.1292 - P.1293
文献購入ページに移動はじめに
癌は小さいうちに切除するのが最もよい治療法である.あるいは前癌状態の部位が把握できればなおよいが,それは肝癌については現在不可能である.肝癌は比較的最近までは不治の癌で,たまたま小さい肝癌を腹腔鏡検査とか,他の目的で開腹したときに発見して切除できたという報告以外には,微小肝癌を一定の診断方法で発見するということはまず考えられなかった.欧米では今でもその点は変わらないが,本邦では,最近B型肝炎との関連において,α-フェト蛋白(AFP)を頻回に追うことにより,切除可能な肝細胞癌がかなり診断されるようになったことは,世界的にも高く評価されるべき実績であると考えている.
癌は小さいうちに切除するのが最もよい治療法である.あるいは前癌状態の部位が把握できればなおよいが,それは肝癌については現在不可能である.肝癌は比較的最近までは不治の癌で,たまたま小さい肝癌を腹腔鏡検査とか,他の目的で開腹したときに発見して切除できたという報告以外には,微小肝癌を一定の診断方法で発見するということはまず考えられなかった.欧米では今でもその点は変わらないが,本邦では,最近B型肝炎との関連において,α-フェト蛋白(AFP)を頻回に追うことにより,切除可能な肝細胞癌がかなり診断されるようになったことは,世界的にも高く評価されるべき実績であると考えている.
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