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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻1号

1979年01月発行

文献概要

今月の主題 心筋症—その展望 原因のはっきりした心筋症

膠原病

著者: 安倍達1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.42 - P.43

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膠原病にみられる心病変
 膠原病は全身の結合組織のフィブリノイド変性を主病変とする急性ないし慢性の疾患であり,従来臓器の個々の疾患という考え方が主流を占めていたなかで,結合組織という「系」における病態に注目した点ユニークなものである.すなわち,膠原病という考え方はその原因にはまったく触れず,純粋に形態学的な特徴の上に立って組み立てられた概念であることを忘れてはならない.現在,その範疇にはSLE,PSS,PM,PN,RAおよびRFの6疾患があるが,膠原病という考え方があまりにも印象的であったために,あるときは診断名のように,また別のときにはあたかも病因を示唆するかのごとき使われ方がされており,非常に注意すべきことである.
 膠原病は全身の結合組織を病変の場とする疾患という意味では,それが心臓を障害してもまったく不思議ではない.実際,膠原病では心維音,不整脈,心不全,狭心症発作,心筋梗塞などの臨床所見や,心陰影拡大,心電図上の異常などといった検査所見をしばしば経験する.しかし,同じ膠原病のなかでも,心臓が障害されやすいものと,比較的障害されにくいものがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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