文献詳細
今月の主題 心筋症—その展望
心筋症の治療
文献概要
はじめに
1957年Brock1)によるHOCMの機能的特異性の解明から5年を経ずしてその外科的治療の報告が相次ぎ,以来,今日までの疾患に関する手術は欧米でおよそ500例,本邦では44例を数える.HOCMに対する外科治療の本態は心室流出路狭窄を除去,軽減しようという姑息的なものであり,疾患の本質からして根治手術はありえない.しかしながら,本疾患における左室流出路圧較差の発生機序についてはなお議論のあるところで,したがって外科的狭窄除去の方法も大別して2つの立場を異にした考えがある.すなわち,流出路における肥厚心筋切開あるいは切除という方向と,僧帽弁前尖の偏位と異常運動の除去のみで十分な血行動態改善がみられるとの考えからする単独僧帽弁置換術である.本稿ではこれら外科的手技の要点と,その予後について少しく述べてみたい.
1957年Brock1)によるHOCMの機能的特異性の解明から5年を経ずしてその外科的治療の報告が相次ぎ,以来,今日までの疾患に関する手術は欧米でおよそ500例,本邦では44例を数える.HOCMに対する外科治療の本態は心室流出路狭窄を除去,軽減しようという姑息的なものであり,疾患の本質からして根治手術はありえない.しかしながら,本疾患における左室流出路圧較差の発生機序についてはなお議論のあるところで,したがって外科的狭窄除去の方法も大別して2つの立場を異にした考えがある.すなわち,流出路における肥厚心筋切開あるいは切除という方向と,僧帽弁前尖の偏位と異常運動の除去のみで十分な血行動態改善がみられるとの考えからする単独僧帽弁置換術である.本稿ではこれら外科的手技の要点と,その予後について少しく述べてみたい.
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