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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻10号

1979年10月発行

文献概要

今月の主題 酸塩基平衡の実際 治療

治療薬剤一覧

著者: 高折益彦1

所属機関: 1川崎医大麻酔科

ページ範囲:P.1516 - P.1519

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治療の基本
 体液酸塩基平衡障害はそれぞれよってきたるべき原因があり,その原因の治療を行わない限り姑息的な補正は意義がなく,かつまたそのような補正を加えることによって原疾患より生じる変化をかえって強く誘発し,後には補正を加える以前よりも著しい平衡障害となることもありうる.また逆に,補正が強過ぎて治療前とは逆の酸塩基平衡障害が導入されることがある.すなわち,酸塩基平衡障害それ自身が固定されているものではなく時々刻々と変動しているものであることを考慮して,以下に述べる薬剤による治療を行うべきである.
 また,呼吸性酸塩基平衡障害の場合には,必然的に肺換気面からの炭酸ガス排出に関する調節,治療が主体をなし,以下述べるアルカリ化薬,酸性化薬による治療は二次的なものとなる.しかしながら,現存する酸塩基平衡障害によって生体機能の一部が不全をきたし,それにより二次的な障害が誘導されている場合には,薬剤により一時的にも機能不全を改善せしめなければならないし,また,そうすることによって一次的に発生している酸塩基平衡不全の悪循環を遮断することも可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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