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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻10号

1979年10月発行

文献概要

天地人

人と群れ

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1603 - P.1603

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 学界で学閥打破といい,政界で派閥解消といわれて久しい.しかし,これはいずれの世界においても不可能のように思われる.
 生物は,元来,群れをつくる習性を持っているもののようだ.京の洛北に北山杉がある.ここの杉は高く聳え,とくに低地の樹ほど背が高い.しかし,北山杉は群れをなしているからこそ美しい.あの杉の一本を他の土地に植え変えたら,あのように美しくは育たない.つまらぬ樹になり下がってしまうだろう.水族館の魚をガラス越しに見ると,魚は群れをつくって泳いでいる.先頭のボスが向きを変えると,一せいに方向転換する.面白いのは高速道路を走る自動車の群れである.魚とはスピードが違うが,水族館の魚と同様に群れをつくって一団となって走っている.たまに,1台か2台,ひねくれたものがいて,スピードを上げて走り抜けるが,多くの車は一団となる.速度制限があるからであろうが,生物の特性を思わせて興味深い.とくに,その群れのトップに白バイがいるのを見ると面白さは倍増する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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