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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 I.尿検査

1.尿量

著者: 吉田尚1

所属機関: 1自治医大内科

ページ範囲:P.1626 - P.1627

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異常値を示す疾患
 尿量の異常をきたす疾患を表1に示す.正常人の尿量は600〜1,600ml/日であり,1日量500ml以下および3,000ml以上は異常とみなされる.尿量は腎の濃縮力,腎から排泄されるべき溶質量(電解質,尿素,そのほか)および血中抗利尿ホルモンADHレベルにより決定される.したがって,正常の濃縮力とADH分泌能力がある人については腎から排泄される溶質量が強く尿量に影響する.尿量の異常を考えるときには同時に尿比重または尿浸透圧を測定することにより,腎の濃縮力と排泄されている溶質量を考慮する必要がある.
 表1において急性に尿量を減少される疾患のうち腎性のもので最も重要なものは急性糸球体腎炎である.急性腎盂腎炎は両側性におかされなければ尿量の異常はみられない.この型で一番強いものは乳頭部壊死を伴う(急性壊死性乳頭炎)もので,糖尿病あるいは衰弱した老人の腎盂腎炎にみられることがある.急性尿細管壊死はこれを中毒性と虚血性に大別することができる.腎に有害な物質としては水銀,砒素,鉛,亜鉛,四塩化炭素,塩素酸カリ,プロピレングリコール,スルフォナマイドなどが知られている.ポルフィリンおよびビリルビンも過量に血中に存在すると腎に対して有害に作用し,尿細管壊死の原因となる,虚血性のものは普通ショックや重症の脱水などにより腎の虚血が数時間以上にわたったときに発生する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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