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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 III.髄液検査

25.髄液血球(赤血球,白血球)

著者: 角田孝穂1

所属機関: 1新松戸中央病院

ページ範囲:P.1684 - P.1685

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異常値を示す疾患
 正常な髄液中には極めてわずかなリンパ球と内皮細胞がみられるだけである.そのリンパ球の数も1mm3中2〜3個であるから,髄液中の細胞を算定して1mm3中5個以上の細胞が存在すれば異常で,細胞増多症という.細胞増多症では細胞の種類と細胞数が問題となる.細胞の種類には多核白血球,リンパ球など白血球が主であるが,白血病細胞などの腫瘍細胞や真菌類などのこともある.一般には白血球の種類を多核白血球と単核白血球(そのほとんどはリンパ球)に区分してその比と細胞数が記載される.細胞数の算定には赤血球は除外され,それ以外の細胞を数える.
 細胞増多の程度は細胞数が5〜20個は軽度,20〜50個は中等度,50個以上は強度と区分する.しかし,中枢神経系の炎症の場合は50個以上に増多することが多いので,この区分はあまり実用的でない.細胞増多をきたす主な疾患と細胞の概数およびその種類を表に示す.表のほかにも腰椎穿刺後,造影剤や薬剤など異物の髄腔内注入,脳血管障害,硬膜下血腫,日本住血吸虫症,トキソプラズマ,ブルセラ症,伝染性単核症などで軽〜中等度の細胞増多がみられる.脳脊髄寄生虫症では髄液中に好酸球をみることも多い.なお,髄膜症では細胞の増多はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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