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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VI.血液検査

33.網赤血球数

著者: 溝口秀昭1

所属機関: 1自治医大血研

ページ範囲:P.1708 - P.1709

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異常値を示す疾患
 網赤血球は図に示したように新しく産生された赤血球である.ブリリアントクレシルブルーまたはニューメチレンブルーで超生体染色を行うと同定される.正常人では赤血球の寿命が約120日であるので,その喪失に見合う赤血球の産生が行われている.したがって,末梢血中には全赤血球の0.5〜1.0%にあたる網赤血球が認められる.しかし,生体から異常な量の赤血球の喪失(貧血)が起こり,それによる低酸素血症が起こると,図に示したような経路が正常に働いていれば,その喪失に見合うだけの赤血球産生の増加が起こり,網赤血球数は異常に増加する.その典型的な例が表のIに示した各種溶血性貧血と急性失血性貧血である.そのほか,新生児期には生理的に網赤血球数は2〜6%と増加する.また,髄外造血がある場合や摘脾後にも増加が認められるが,これらは赤血球産生の増加によるというより,むしろ前者では造血部位からの網赤血球の放出の程度の変化,後者では網赤血球のクリアランスの程度の変化によるものと思われる.また,ビタミンB12,葉酸や鉄欠乏の治療期には網赤血球の急激な増加が起こり,これによって逆に診断が確認される.
 図に示すような経路が良く働いていないような貧血では,貧血相応の赤血球産生の増加は起こらず,ひいては網赤血球の増加はみられない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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