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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VI.血液検査

41.血餅収縮試験

著者: 鈴木弘文1 松尾純孝1

所属機関: 1北里大衛生学部血液学

ページ範囲:P.1728 - P.1729

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はじめに
 血餅収縮は止血機構における大切な現象であり,血小板がその主役を演じていることは周知のとおりである.しかし,血餅収縮のさらに詳細な機序については今日でもなお解明されていない点が多々存在しているようである.それでも近年に至り,血餅収縮現象は血小板のアクトミオシン様収縮性蛋白複合体であるthrombostheninが関与していることが明らかにされ,このthrombostheninに関しても,ATPの存在,Ca++の関与2),さらにアクトミオシンとの関係などにつき次第に明らかにされてきている.
 血餅収縮試験はこうした血小板機能の一検査法であり,したがって血小板の性状が大きく影響することはもちろんであるが,血小板の量的影響もまた大である.しかし,今日主に用いられている血餅収縮試験検査法は,こうした血小板の質的,量的条件のほかに,①血液成分の影響:赤血球数,血液凝固因子(内因系凝固因子,第XIII因子,フィブリノゲンおよびプラスミンなど),②物理的因子の影響:測定時温度,試験管の性状(ガラス製,プラスチック製,壁の汚れやキズなど),測定時の震動,などが大きく関与するので,血餅収縮試験の検査成績判定に際しては,これらの因子についても十分考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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