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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VI.血液検査

43.出血時間

著者: 山中學1

所属機関: 1東大中検

ページ範囲:P.1734 - P.1735

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異常値を示す疾患
 出血時間の異常はその延長である,出血時間は,皮膚毛細血管を穿刺して,傷口から湧出してくる血液が自然に止まるまでの時間をいうが,これは損傷血管の傷口に血小板が粘着して,これに流血中の血小板が互いに凝集して,血小板凝集塊をつくる.これが血管の傷口をふさぐと出血が止まる.実際には,血管の傷口から出た血液は,血管周囲組織の穿刺孔を通り,皮膚面に達し,外気に曝されるわけであって,血管の収縮能,血管周囲組織の弾力性,また傷害組織からの組織液の混入にれは流出してきた血液に混入して,トロンビンをつくり,フィプリンを析出させる)などが出血時間への影響因子となる.しかし,一般には血管とその周囲組織の性状と,血小板の凝集塊形成能が主な因子である.したがって,出血時間の異常はその延長であるが,それは血管壁の異常と,血小板数の減少,あるいは機能的低下の存在を示している.
 したがって,血小板数算定を行い,血小板数が減少していない場合は,血小板機能異常か,血管異常である.血管異常として出血時間延長をきたすのは,遺伝性出血性血管拡張症(Osler病)であり,特異な皮膚・粘膜の毛細血管拡張像その他の症状で,診断は容易である,このほか,出血時間のみが延長し,他の止血に関する検査成績はすべて正常なものに血管性仮性血友病といわれるものがある.しかし,これらは日常そう多くみられる病気ではない.その他の血管性紫斑病では,通常出血時間正常である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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