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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VI.血液検査

49.Paracoagulation test

著者: 池松正次郎1

所属機関: 1東医大臨床病理

ページ範囲:P.1746 - P.1747

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Paracoagulationとは
 従来,血液が凝固することはトロンビンによってフィブリノゲンがフィブリンに転化することであって,トロンビンの酵素作用と基質としてのフィブリノゲンのあいだでのみ成立するものとされていたが,基質がフィブリノゲンそのものでなくとも,また反応を惹起させる物質がトロンビンでなくてもフィブリン様の凝塊あるいは沈殿物を形成する現象のあることが認められた.
 Paracoagulationの反応を大別すると,enzymaticなものと,non-enzymaticなものに分けることができる.Enzymatic paracoagulationを惹起させるものはトロンビンであり,その基質としてはフィブリノゲン由来のX分画,つまりXfpのほか,フィブリノペプチドAのみを遊離したいわゆるdes A fibrinがフィブリンモノマー(FM)としてフィブリノゲン,FDPあるいはcold insoluble globulin(Clg)と結合したsoluble fibrin monomer complex(SFMC)などがあげられる.またnon-enzymatic paracoagulationを惹起する物質の代表的なものは硫酸プロタミンで,基質としては,やはりSFMCのほか,X,Y分画などのFDPがあげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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