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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VI.血液検査

54.赤血球抵抗試験

著者: 高木皇輝1

所属機関: 1自治医大臨床病理

ページ範囲:P.1758 - P.1759

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異常値を示す疾患
 溶血亢進の有無に関する検査として,広く行われている赤血球浸透圧抵抗(脆弱性)試験は低張食塩水に対する抵抗をみる方法であり,そのほかにサポニン抵抗,酸抵抗,機械的抵抗をみる方法もあるが一般的でない.低張食塩水に対する赤血球抵抗が減弱する(脆弱性が亢進している)疾患,増強する(脆弱性が低下している)疾患,正常を示す疾患を表1に示した,溶血性貧血では一般に抵抗が減弱するが,その種類によって多少異なり,遺伝性球状赤血球症では著しく減弱する.しかし,これは本症に特異的なものでなく,球状赤血球は低張食塩水中で水が浸透し容積が増大し,極限に達して溶血するまでの余裕が乏しいためであると考えられる.自己免疫性溶血性貧血では溶血が盛んなときは減弱する.同種免疫性溶血性貧血の場合,抗Rhでは正常であるが,抗A,Bでは減弱する.中毒性溶血性貧血では軽度減弱を示し,悪性貧血では多くは正常を示すが,減弱や増強を示す例もある.急性出血後の血液など新鮮な赤血球は抵抗が強く,溶血性貧血以外の黄疸でも抵抗が増強している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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