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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VII.血清検査

68.IgG,IgA,IgMの定量

著者: 伊藤忠一1

所属機関: 1岩手医大中臨検

ページ範囲:P.1790 - P.1791

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異常値を示す疾患
 免疫グロブリン似下Igs;IgD,IgEを除く)の血清濃度に異常をきたす疾患は表1のごとくである.血清Igs値上昇の多くはpolyclonalである.polyclonalな増加は一般にIgG,IgAおよびIgMのすべてのクラスの増加として観察されるが,ときに1つのクラスのみが優先して増加する場合もある.たとえば,急性肝炎ではIgMの増加が主で,IgGやIgAの増加は軽度のことが多い.ところが肝炎が遷延し,慢性肝炎(とくに活動型),肝硬変症に移行するとIgGやIgAの幅広い増加が起こる.このIgAの増加はセ・ア膜電気泳動像でみられるβ-γ bridgingの原因である.アルコール性肝障害,消化管や呼吸器の慢性感染症ではIgAの増加,新生児の子宮内感染症,trypanosomiasis,胆汁性肝硬変症などではIgMの増加,SLEなどではIgGの増加が著明である.polyclonal Igsの増加の証明は疾患の診断に直接結びつくとはかぎらないが,病態の解析に有用な手がかりを与える.一方,monoclonal Igs(M蛋白)の出現,増加の証明はかなりの診断的な意味をもつ.しかし,増加しているIgsがmonoclonalであるかどうかは定量するだけでは決定しがたく,後述するごとき各種の検索をまたなければならない.悪性のM蛋白は2g/dl以上の場合が多く,またM蛋白以外のIgsは著明に低下している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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