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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VII.血清検査

69.IgE(RIST,RAST)

著者: 伊藤幸治1

所属機関: 1東大物療内科

ページ範囲:P.1792 - P.1793

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異常値を示す疾患
 RIST IgEの異常値を示す疾患を表にまとめた.まずIgEの正常範囲を示す.正常人IgEの値を対数に変換し,度数分布曲線を作ると正規分布を示すので,IgEの平均値はすべて幾何学的平均値で示すことを原則とする.IgEは臍帯血清中にも微量ある.その値の平均は2.1U/ml(BAC法,Bazaral),3.9U/ml(RIST,Johansson),0.39U/ml(PRIST,Johansson),2.45U/ml(RIST改良法,蒲生)である.母親がアトピーでも非アトピーの場合と変わりなくIgEが胎盤を通過しないことを示す.年齢とともに徐々に上昇し,3〜5歳で成人の60%に達し,11〜15歳で成人値に等しくなる.筆者の成績では10代では150U/mlで20歳をすぎるとやや低下して120U/mlとなる.男女差はない.RISTで調べた日本人の成人のIgE平均値は報告者により違うが、筆者の100例の成績では122U/mlで±1σは40〜360U/ml,±2σは14〜1000U/mlであった.他の報告者の成績もこれに近い.
 IgEレベルは,あくまで免疫グロブリンとしてのIgEをみているのであって,特異抗体ではないから,IgEの異常値が特異疾患に結びつくわけではない.その点は他の免疫グロブリンにおけると同様であるが,IgEの上昇する疾患は比較的限られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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