icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VII.血清検査

73.CEA

著者: 赤井貞彦1

所属機関: 1新潟県立ガンセンター外科

ページ範囲:P.1800 - P.1801

文献購入ページに移動
異常値を示す疾患
 CEAはcarcinoernbryonic antigen(Gold)の略である.この物質は当初考えられたような大腸癌特異性はなく,他の多くの癌にも陽性化し,さらに種々の良性疾患や健常人の一部にさえも陽性化することが明らかにされている.しかしながら,その血中濃度の著明増加は癌患者のみにみられる特異的現象といっても過言ではなく,ここにCEAが臨床に重用されている理由がある.
 ただしCEAには未解決の問題がある.それはこの物質が化学的,免疫学的に単一の組成ではないことである.CEAは分子量約200,000で糖を40ないし80%含む糖蛋白であるが,現在の測定法(後述)によって血中で検出されているCEAはNCA,NCA-2などいくつかのCEA様物質―CEA family―を包含した不均一な物質集団である.しかも,その不均一性は各臓器の癌ごとに異なっており,さらには個々の症例によっても相違していると推定される.WHOがCEAの標準化を試みながら未だ結論を得ていないのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?