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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集

VII.血清検査

77.ウイルス血清抗体価

著者: 中村正夫1

所属機関: 1国立病院医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.1808 - P.1810

文献概要

異常値を示す疾患
 ウイルス性疾患においては,ウイルスの種類,抗体価測定方法によっても異なるが,抗体価の高低よりは,その変動あるいは特異性が重要で,他の検査にみられるような異常値は定めにくい.抗体価と疾患の関係についても,もし有意義な値あるいは変動潮認められれば,それに対するウイルス感染を予想することになる.
 ウイルス性疾患では,一つのウイルスが,各種疾患の原因になり,逆に,一つの疾患が多くのウイルスによって起こる例も多い.たとえば,ウイルス性髄膜炎の原因には,コクサッキー,エコーなどエンテロウイルス,単純ヘルペス,ムンプスその他のウイルスが考えられ,一方,コクサッキーウイルスは型も多いが,それぞれ無菌性髄膜炎,麻痺症,脳炎,発疹症,ヘルプァンギーナ,心筋炎,心嚢炎,手足口病その他気道疾患を起こすなど多彩である.ウイルス性疾患の診断には,血清抗体価も重要であるが,可能なものについては,ウイルス分離または形態学的検査法などをあわせて行うことが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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