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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VIII.血液化学検査

82.乳酸とピルビン酸

著者: 玄番昭夫1

所属機関: 1中央鉄道病院中検

ページ範囲:P.1824 - P.1825

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異常値を示す疾患
 全血(静脈血)を用い,酸素曲定量法で空腹時正常人の乳酸を測定すると,3〜15mg/dl(0.33〜1.67mmol/l)であり,一方,ピルビン酸は0.3〜0.9mg/dl(0.034〜0.102mmol/l)である.動脈血を用いてもほぼ同じであるが(ただし,乳酸はやや低い),血清を使用すると全血よりも平均7%(乳酸のとき),あるいは21%(ピルビン酸のとき)の高値を示す.これは,おそらく血液凝固の過程で嫌気的解糖系が作動して乳酸やピルビン酸め変化をきたすためで,したがって,検査材料としては全血を使用し,採血後ただちに測定(除蛋白操作)することになっている.
 血中乳酸,あるいはピルビン酸が以上の正常値を越えて異常増加してくる疾患には表のようにいろいろある.一般にはこの両者が平行して増加するが,しかし,一方がとくに著明に増加する場合もある.周知のように,乳酸やピルビン酸は嫌気的解糖系の最終代謝産物であり,とくに乳酸は組織の酸素欠乏状態を示す指標としての意義が大きい.そこで,乳酸とピルビン酸の両者の関連性を示すパラメーターとして乳酸過剰(lactate excess,XL)という概念が導入された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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