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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VIII.血液化学検査
94.鉄結合能
著者: 黒川一郎1
所属機関: 1札幌医大中検
ページ範囲:P.1852 - P.1853
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生体内の鉄代謝のメルクマールとして鉄結合能が測定される.血漿鉄はβ1グロブリン中のトランスフェリン(分子量約90,000,ムコ蛋白質,鉄結合蛋白質,ジデロフィリンなどと呼ばれる)とキレート結合して血中を担送される.正常血漿トランスフェリンは平均260mg/dlといわれるが,その1mgは1.3μgのFeと結合する.それゆえ,正常人血清1dlは260×1.3μg=338μgのFeと結合しうる力を持つ.これを総鉄結合能(TIBC)と呼び,この中で実際に血清鉄と結合している割合を飽和度,フリーの部分を不飽和鉄結合能(UIBC)と呼ぶ.鉄結合能はTIBC,UIBCを一応区別し,かつ血清鉄値と関連づけて考えるべきである.
生体内の鉄代謝のメルクマールとして鉄結合能が測定される.血漿鉄はβ1グロブリン中のトランスフェリン(分子量約90,000,ムコ蛋白質,鉄結合蛋白質,ジデロフィリンなどと呼ばれる)とキレート結合して血中を担送される.正常血漿トランスフェリンは平均260mg/dlといわれるが,その1mgは1.3μgのFeと結合する.それゆえ,正常人血清1dlは260×1.3μg=338μgのFeと結合しうる力を持つ.これを総鉄結合能(TIBC)と呼び,この中で実際に血清鉄と結合している割合を飽和度,フリーの部分を不飽和鉄結合能(UIBC)と呼ぶ.鉄結合能はTIBC,UIBCを一応区別し,かつ血清鉄値と関連づけて考えるべきである.
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