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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VIII.血液化学検査

97.K

著者: 飯田喜俊1

所属機関: 1大阪府立病院腎疾患センター

ページ範囲:P.1858 - P.1859

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異常値を示す疾患
 生体の総K量は成人でだいたい3,000mEqで,主として細胞内に分布し,細胞外には約2%が含まれているに過ぎない.その濃度についても血清K値が3.6〜5.5mEq/lであるのに対し,細胞内Kは110〜150mEq/lとはるかに高値である.したがって,血清Kのいかんが必ずしも体内のKバランスを示しているのではなく,表に示したごとく,血清K値と体内総K量とが必ずしも平行していない.
 食物から摂取されるK量は1日に約50〜100mEqで,正常ではその85〜90%が腎から排泄される.それゆえ,腎に異常があると血清K値の異常をきたしやすい.とくに慢性腎不全末期や急性腎不全乏尿期などでは,腎のK排泄が著しく低下し高K血症が生じる.そして,異化作用や代謝性アシドーシスがあるとこれが一層著しくなる.一方,急性腎不全の利尿期,慢性腎盂腎炎や尿細管性アシドーシスなどでは腎のK保持能が失われて低K血症をきたしやすい.また,Na負荷時やアルカローシスでKの排泄が増加し,副腎皮質ステロイドの使用,アルドステロン症あるいはサイアザイド剤など利尿剤を長期使用した場合にもKが失われ,低K血症をきたす.これに反し,抗アルドステロン剤であるスピロノラクトンの使用ではKの排泄が減少して高K血症をきたすに至る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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