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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VIII.血液化学検査

117.LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)

著者: 小泉岳夫1

所属機関: 1大阪厚生年金病院内科

ページ範囲:P.1898 - P.1899

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異常値を示す疾患
 血清中のLAP活性が上昇する機序は胆道系の機械的閉塞ないし狭窄であって,以前に考えられていたように膵癌に特異的なものではない。したがって,LAPの上昇をきたす疾患は表に示したように,肝,胆道および膵疾患である.このうち胆石,胆道系の炎症性疾患および腫瘍による閉塞性黄疸では400単位をこえる場合が多く(正常値200単位以下),急性および慢性肝炎や肝硬変あるいは脂肪肝では軽度の上昇を示し,400単位以上になることは稀なため,黄疸を呈する患者のLAP値は両者の鑑別の手助けになる.しかし胆汁うっ滞性の肝炎では著しい高値を示すこともある.肝癌では原発性および転移性のいずれでも,また黄疸の有無にかかわらず,とくに高値を示す.膵癌では黄疸を合併した場合にはLAPの著明な上昇がみられるが,胆道系を圧迫せず,肝に転移のない場合には通常異常をきたさない.急性膵炎では軽度ないし中等度の上昇が一過性にみられるが,慢性膵炎ではほとんど正常範囲にある.
 肝,胆道,膵以外の疾患では異常を示すことはきわめて少なく,全身各所の悪性腫瘍でも肝転位を起こさない限り正常である.なお,妊娠によって上昇し,妊娠末期には正常値の3ないし4倍に達する.妊娠2カ月後になってもLAPの上昇がみられないときには,胞状奇胎や絨毛上皮腫を疑う必要がある.また心筋梗塞で,発作後2ないし6週の間に上昇することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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