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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻11号

1979年10月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集 VIII.血液化学検査

120.CPKアイソザイム

著者: 石浦章一1 杉田秀夫2

所属機関: 1国立神経センター疾病研究第1部 2東大神経内科

ページ範囲:P.1904 - P.1905

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CPKアイソザイムの臨床的意義
 血清CPKの測定は筋疾患,とくにDuchenne型筋ジストロフィー症の早期発見に多大な貢献をした.しかし,当初考えられていたように血清に検出されたCPKは筋肉のみに由来するのではなく,他臓器からのアイソザイムが混入していることが明らかになった.CPKはこの臓器特異性のほかに血球には存在しないため,CPKの血清への漏出が,それが局在する筋肉,脳,心筋細胞の破壊を意味し,その異種(アイソザイム)型の検索によって障害個所の推定や,予知に役立つと考えられている.
 正常骨格筋のCPKはすべて筋型(MM型)である.しかし,3カ月までの胎児ではBB型(脳型)をとり,以後MM型があらわれる.心筋ではMM型のほかに中間型(MB型)を持つことが特徴で約30%がこれである.血清にみられるMB型は主として心筋由来であると考えられる.平滑筋はこれらとは違いBB型を含むのが特徴である.一方,脳や神経においては大多数がBB型であるが,少量のMB型やMM型を含むことが知られている.とくに大脳灰白質はすべてBB型であるが,白質には数パーセントのMM型とMB型が存在し,小脳では異常MM型(電気泳動でMM型と一致した移動度を示すが,抗ヒトMM抗体とは交叉しない)が15%ほど存在すると言われている.正常な血清CPKはMM型のみであり,すべて骨格筋由来である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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