icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

今月の主題 血管炎とその臨床

血管炎の概念

病理学的立場から

著者: 京極方久1

所属機関: 1東北大第1病理

ページ範囲:P.2042 - P.2044

文献概要

はじめに
 最近,血管炎がにわかに注目を浴びてきた,その理由はいわゆる"難病"として厚生省の指定した疾患の中に,血管に病変のあるものが非常に多かったことがきっかけであろう.事実,その病因も不明で,診断,治療いずれも困難なものが多い.厚生省でもこれらの血管炎群を総合した"系統的血管病変"に関する研究班を組織して重点的に研究を遂行している.構成メンバーはいずれもその道の専門家ばかりであるが,その討議の間にいくつかの基本的な問題点が浮き彫りになった.
 その最大のものというか,最も基本的なものは"血管炎の概念"についての各研究者の間の微妙な食い違いである.専門家の間でかなりの落差のあったのは臨床家と病理学者の間であり,次には臨床間で内科医と皮膚科医の間であり,病理学者の間でさえ,時にはかなりの食い違いを示した1,2).ましてや専門家と非専門家の間の落差は時にはまったく別世界の観すらあった.このように一つの疾病の把握が人によって少しずつズレているということは,いろんな点で大変支障をきたすことが多い.そこら辺りの点を明らかにして議論をしてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら