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今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎を伴う諸疾患
Wegener肉芽腫症とその類似疾患
著者: 吉田雅治1 長沢俊彦1
所属機関: 1杏林大第1内科
ページ範囲:P.2057 - P.2059
文献購入ページに移動Wegener肉芽腫症(以下WGと略す)は1931年にKlingerが壊疽性鼻炎,関節症状を伴い,肉芽腫性糸球体腎炎を呈して腎不全死した一症例をGrenzformen der Periarteritis nodosaとしてはじめて報告し,1939年にWegenerが血管系と腎の病変を伴う特異な上気道性肉芽腫症として結節性動脈周囲炎(以下PNと略す)より分離,独立させた疾患である.さらにGoldmanら(1954)によりWGは①気道の壊死性肉芽腫性炎症,②全身の壊死性血管炎,および③肉芽腫性糸球体腎炎の3つの形態学的変化を特徴とする疾患として,病理学的および臨床的なentityが確立されるに到った.以来今日まで,その症例数は少ないが報告が相続き,1973年にはNIHでWGに関してのconferenceが行われている1).ここでは,血管炎の立場から臨床的にWGの解説を試みる.
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