icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

文献概要

今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎を伴う諸疾患

アレルギー性肉芽腫性血管炎

著者: 森本幾夫1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.2060 - P.2061

文献購入ページに移動
はじめに
 結節性動脈周囲炎(以下PN)が初めてKussmaulら1)により報告されたのは一世紀も前のことであるが,それは一つの明確な疾患単位を有するように考えられていた.しかし,同様な症例がたくさん報告されるにつれ,臨床的にも,病理学的にも古典的PNとは異なった病像をもつものがあることが明らかとなってきた.1951年ChurgとStraussら2)は,臨床的には発熱,喘息,好酸球増多,皮疹,多臓器に及ぶ致命的な多彩な病像を呈し,病理学的には全身性壊死性血管炎ならびに血管外の肉芽腫性病変(好酸球の浸潤を伴う)を伴う14例を報告し,古典的PNより分離し,これをアレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatosis and angiitis,以下AGA,別名Churg-Strauss Syndrome)と呼んだ.本疾患はPNと診断されることが多く,臨床家の本疾患に対する認識は浅く,またPNとWegener肉芽腫症との移行型あるいはLoeffler症候群とWegener肉芽腫症との移行型とみられる類縁疾患があり,また生前診断がされるのはきわめて少数とされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら