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今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎類似疾患
経口避妊薬と血栓症
著者: 高木繁夫1 尾崎晴彦1
所属機関: 1日大産婦人科
ページ範囲:P.2087 - P.2089
文献購入ページに移動周知のとおり,経口避妊薬は1961年アメリカFDA(食品医薬品局)が国内の使用を認めて以来,その効果の確実性から,近代的避妊方法の一つとして広く普及し,現在世界では少なくとも31力国で約5,000万人の服用者が存在すると推定され,一方わが国においても30万人を越えるとされており,その需要は将来ますます増加するものと予想されている.一方,経口避妊薬には微量のestrogenとprogesteroneとが含まれ,健康婦人といえども長期間にわたって服用するため,その副作用が問題となり,とくに血栓症を誘発する危険があるとされており,服用中に出現する最も危険な副作用の一つとなりつつある.
しかし,経口避妊薬と血栓症との因果関係については今日なお不明な点も少なくなく,常に新しい観点に立っての慎重な討議がなされているためこの問題について考察を加える.
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