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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

文献概要

今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎の成因

血管炎の動物モデル—SL/Niマウスを中心に

著者: 木崎智彦1 京極方久2

所属機関: 1神戸大第1病理 2東北大第1病理

ページ範囲:P.2090 - P.2093

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はじめに
 膠原病,とりわけPN,RA,SLEなどの大きな所見の一つとして血管病変があり,それらは複雑な免疫学的な機序によって発症すると考えられている.しかし,その病因を深く究明するまでには至っていない.すなわち,どのような原因で,どのような背景で,どのような経過をたどって病変が完成されていくかを順序だてて研究することは不可能に近かった.しかし,最近,PNに類似した動脈炎を自然発症する動物,SL/Niマウスが発見され,まだ完壁な動物モデルとは言えないまでも,今後その病因究明に大いに貢献してくれると思われる1,2).このマウスは元来リンパ腫好発系であったが,愛知県がんセンター西塚泰章部長のもとでリンパ腫の発生頻度の低下とともに動脈炎や腎炎が好発するようになった系であり,現在SL/Niマウスと命名されている7)
 本稿では動脈炎を中心にして記載するが,腎炎について簡単に触れると,腎炎はSLEなどにみられるimmune complex型腎炎に類似していて,生後3〜4ヵ月から発症し,10ヵ月以後では発生率は100%になる.しかも,加齢とともに重症となり,その病型もメサンジウム増殖型から膜性腎炎に移行し,12カ月以後動脈炎を伴うとヒトの膜性増殖性腎炎に似た病像を呈してくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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