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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

文献概要

今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎の成因

ウイルス抗原と血管炎

著者: 吉木敬1

所属機関: 1市立札幌病院病理

ページ範囲:P.2094 - P.2098

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はじめに
 実験的に血清病やArthus現象の免疫学的発症機序の解明が進み,壊死性血管炎における免疫複合体の病因的役割が指摘されている.一方,壊死性血管炎とウイルス感染との関係はミンクのAleutian病,マウスではヒトSLEの自然発生モデルであるNew Zealand(NZ)マウス,ヒト結節性多発性動脈炎(PN)のモデル動物であるSL/Niマウス,LCMウイルス感染マウスなどで次第に明らかとなっている.血管炎の病因としてのウイルス感染はウイルスまたはウイルス抗原が宿主の免疫応答を介して免疫複合体を形成し,この免疫複合体が血管壁に沈着して血管炎を発生させる場合や,後述するようにSL/Niマウスの場合の血管壁中膜平滑筋に発現されるウイルスが血管炎発症に病因的役割を演ずる場合がある.
 ここでは,筆者らが従来から研究を進めてきたNZマウス,SL/Niマウスの壊死性血管炎における内因性C型ウイルスの病因的役割について述べ,ヒト壊死性血管炎の発生機序を考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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