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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

文献概要

今月の主題 血管炎とその臨床 血管炎の治療

血管炎治療の問題点と限界

著者: 柴田整一1

所属機関: 1東大第3内科

ページ範囲:P.2122 - P.2125

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血管炎を伴う疾患に対する治療の姿勢
 最近になってSLE.その他の膠原病諸疾患や,それに近縁な諸疾患を"血管炎を伴う諸疾患"という角度から観直そうという傾向が出てきたことは,約20年来これを主張1〜8)してきたものにとっては大変嬉しいことである.私どもが主張しはじめた頃は,この考え方は完全に無視されたのであるが,それでもあえて主張し続けてきた最大の目的は,われわれは病理学者でもないので原理的なことで新説をという気は毛頭なくて,治療,ことに長期治療を行ってゆく上でこの考えに立脚しない限り,納得のゆく治療を行うことはほとんど不可能であるということを痛感してきたからであった.
 たとえばSLEという同じ診断名が下されていれば教科書にあるような画一的な治療が行われがちであるが,少しく経験をつんだ医師であれば,たとえ急性期をうまく通りぬけるところまではほぼ画一的に治療を進めることができたとしても,そこから先をどうするかというときになって,症例によりその対応の仕方は実は千差万別で,いわばcase by caseであるという印象を受け,さて,どこによりどころをおいて治療を続けてゆけばよいのかと困惑することになってしまう.そこのむずかしさを今さらのごとくに知るようになるということが多いのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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