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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻12号

1979年11月発行

文献概要

Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・20

TSH

著者: 屋形稔1 三国龍彦2

所属機関: 1新潟大中央検査部 2新潟鉄道病院内分泌内科

ページ範囲:P.2172 - P.2175

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TSHの分泌調節
 TSHの産生分泌は視床下部から分泌されるTRH(thyrotropin releasing hormone)によって特異的に刺激されるが,もう一つの重要な調節機構は図1に示すような視床下部-下垂体-甲状腺系のnegative feedback mechanismと呼ばれるものである.すなわち,血中甲状腺ホルモンが過剰になった場合,視床下部と下垂体に作用してTRHおよびTSHの分泌を抑制し,逆に不足した場合は両者の分泌は増加する.このほか,視床下部より上位の中枢,つまり,日内リズムやストレスなども想定されるが明らかではない.また,甲状腺ホルモンが甲状腺におけるTSH作用を抑制したり,TSHが直接視床下部に働いてTRH分泌を抑制する,いわゆるshort feedback機構についても現在なお不明な点が多い.したがって,血中TSHレベルはTRHと血中甲状腺ホルモンの両者によって支配されることになり,この機序は前号で述べたACTHの場合と同様である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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