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Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・20
TSH
著者: 屋形稔1 三国龍彦2
所属機関: 1新潟大中央検査部 2新潟鉄道病院内分泌内科
ページ範囲:P.2172 - P.2175
文献購入ページに移動TSHの産生分泌は視床下部から分泌されるTRH(thyrotropin releasing hormone)によって特異的に刺激されるが,もう一つの重要な調節機構は図1に示すような視床下部-下垂体-甲状腺系のnegative feedback mechanismと呼ばれるものである.すなわち,血中甲状腺ホルモンが過剰になった場合,視床下部と下垂体に作用してTRHおよびTSHの分泌を抑制し,逆に不足した場合は両者の分泌は増加する.このほか,視床下部より上位の中枢,つまり,日内リズムやストレスなども想定されるが明らかではない.また,甲状腺ホルモンが甲状腺におけるTSH作用を抑制したり,TSHが直接視床下部に働いてTRH分泌を抑制する,いわゆるshort feedback機構についても現在なお不明な点が多い.したがって,血中TSHレベルはTRHと血中甲状腺ホルモンの両者によって支配されることになり,この機序は前号で述べたACTHの場合と同様である.
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