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今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床 エンサイクロペディア
Pancreatic Polypeptide
著者: 馬場茂明1 水野信彦1 石田正矩1
所属機関: 1神戸大第2内科
ページ範囲:P.2216 - P.2219
文献購入ページに移動Pancreatic polypeptide(以下PP)は,1968年Kimme1らによりニワトリの膵からインスリン抽出精製過程で発見され,その後1972年Chanceらにより各種哺乳動物の膵からも類似するペプチドが単離され,動物種によりavian PP(aPP),bovine PP(bPP),ovine PP(oPP),porcine PP(pPP),human PP(hPP).canine PP(cPP)と名づけられている.これらPPはいずれも36個のアミノ酸残基よりなる分子量4,200の単鎖ポリペプチドで,そのアミノ酸配列(図1)は,aPP(Gly1〜Tyr36-NH2)とbPP〔Ala1〜Tyr36-NH2)とでは21ヵ所で相違が認められているが,哺乳動物間では互いに類似1)する組成を有し,また免疫学的にも従来のペプチドホルモンと明らかに異なる抗原性を有することから,新しいペプチドホルモンと目されている.
近年これらPPの精製ならびに特異抗血清の作製により,PPのラジオィムノアッセイ(RIA)や免疫組織化学が可能となり,PPの生体内分布,作用,分泌動態などに関する研究は急速な発展をとげつつある.本稿では,これらPPに関する最近の知見に筆者らの成績をまじえて概説する.
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