icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻13号

1979年12月発行

文献概要

今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床 消化液分泌とホルモン

膵液分泌

著者: 菅野富夫1

所属機関: 1北大獣医学部獣医生理学

ページ範囲:P.2249 - P.2251

文献購入ページに移動
膵臓の機能的構成
 食物を消化する消化液の中で膵液の消化作用は最も重要である.膵液は消化酵素・酵素原と電解質を含む弱アルカリ液である.これら膵液の構成要素は膵臓から分泌される.ここでいう分泌とは,摂取期,合成期および放出期よりなる一連の細胞機能の全体を表現している言葉として使われている1〜3)
 膵臓の大部分を占めているのは膵外分泌腺である.外分泌腺の間に島状に散在している内分泌腺くLangerhans島,膵島)は,膵臓全重量の1〜2%を占めているにすぎないが,そこから分泌される4種のホルモン,インスリン,グルカゴン,ソマトスタチンおよび膵ポリペプチドは,それぞれ栄養素(炭水化物,蛋白質,脂質)の中間代謝に重要な役割をはたしているばかりか,膵島内分泌細胞椙互の間,胃腸内分泌細胞間,自律神経との間に密接な関係があり,全体として栄養素代謝の均衡がとれていることを示す研究が最近急速に進められている.さらに,これら膵島ホルモンが全身循環に入る前に,周辺の膵外分泌細胞に局所的に作用することを示唆する研究も進められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?