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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻13号

1979年12月発行

文献概要

臨床医のための心の科学

神経性食思不振症

著者: 玉田太朗1

所属機関: 1自治医大産婦人科学

ページ範囲:P.2296 - P.2297

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はじめに
 思春期の少女は,しばらく会わない間に見違えるほど女らしくなる.思春期の身体的な変化は乳房の発育,皮下脂肪の女性らしいふえ方→恥毛の発生→身長ならびに体重の急増→初潮という順序で起こるが,これらの身体的な変化が精神的な蔦藤をひき起こす.それらは女性としての目ざめ・自覚,両親とくに母親からの独立,自我の確立などであるが,それまでの移行期には,逆に女性になることへの拒絶,月経に対する嫌悪,いつまでも子供らしくあって両親に可愛がられたい願望があり,その矛盾に悩むことになる.
 この時期の少女に現れる特異な疾患として神経性食思不振症Anorexia nervosaがある一症状として,やせ,無排卵,無月経などが特徴的であるので,内分泌腺の器質的な異常が疑われたこともあるが,この疾患の病因はほとんど全例で精神的なものであり,思春期の心身症の代表と考えられるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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