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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻2号

1979年02月発行

今月の主題 パーキンソン病とその周辺

パーキンソン病の臨床

精神症状

著者: 原田憲一1

所属機関: 1信州大精神医学

ページ範囲:P.190 - P.191

文献概要

パーキンソン病の3精神症状
 パーキンソン病(paralysis agitans)のときいろいろの精神症状があらわれることは,以前から知られていた.筆者はここに,パーキンソン病の精神症状として抑うつ気分,せん妄,痴呆の3つを,その主なものとしてとりあげたい.
 抑うつ気分 最もしばしばみられる精神症状である.その出現頻度は,報告によって大きな差がある.90%の患者にみられたという人1)もいるし,10%を算した人2)もいる.この大きい差異は,軽度の気分変調をどこまで異常としてとるかの基準が人によって異なるからであろう.また,神経学的なアキネジアと,心的な自発性減退,抑うつ性意欲減弱とをていねいに区別することが大事だが,それがどの程度なされているかも問題であろう.心的な自発性や関心はよく保たれているのに,神経学的症状の故に,行動するのがどうも面倒だという事態は,パーキンソン病患者には非常に多いはずである.このような配慮を十分した上で,なおかつ精神医学的に何らかの対処を必要とするほどの抑うつ状態は,筆者の経験では決してそれほど多くはない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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