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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻2号

1979年02月発行

文献概要

今月の主題 パーキンソン病とその周辺 特殊疾患によるパーキンソニズム

正常脳圧水頭症

著者: 矢島一枝1 塩沢瞭一1

所属機関: 1虎の門病院神経内科

ページ範囲:P.208 - P.209

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はじめに
 水頭症は髄液循環が障害されて生じるもので,その一般的な症状は脳圧亢進症状である.Adamsは脳圧亢進のない水頭症でも重大な神経症状を起こしうること,簡単な吻合術によって症状の消失することを指摘して,正常脳圧水頭症(以下NPHと記す)と命名し,痴呆,歩行障害,尿失禁を3主徴とした.それ以来,従来治療不能とされていた「痴呆」が簡単な外科手術で治りうるとあって,NPHの診断が拡大解釈され,広く手術が行われるようになった.しかし,手術無効例や合併例の報告も多く,手術適応の厳密な規定が強調されるようになった.一方,症候学的解析の困難とされていた「歩行障害」については,錐体外路徴候と思われる要素の強いことが知られてきた.文献的にもパーキンソン症候群と診断されていた症例が散見される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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