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今月の主題 パーキンソン病とその周辺 パーキンソン病治療上の諸問題
外科療法の適応
著者: 大本尭史1
所属機関: 1岡山大脳神経外科
ページ範囲:P.228 - P.230
文献購入ページに移動パーキンソン病における外科的治療は,振戦と筋強剛に対して視床腹外側核部を破壊する定位脳手術が,現在最も普遍的である.近年,L-dopaと末梢性脱炭酸酵素阻害剤の併用による薬物療法が一般化してより,薬剤による臨床効果が非常に増大したため,定位脳手術の適応をもつ患者は激減した.しかし,L-dopaを中心とした現在の薬物療法は,効果と副作用の点で,決してすべての例に満足しうる治療法とはいえない.しかも,長期投与例においては効果の減退やup and down effectなど,治療に困惑する例が増加しつつあり,これら長期治療の観点からも,薬剤との併用を考慮した定位脳手術が,パーキンソン病に対する最も確実な治療法の一つこして見直されつつあるのが現状である.
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