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図譜・消化器病の超音波診断 他検査法との対比による症例の検討
超音波映像による臓器穿刺診断—方法と症例
著者: 大藤正雄1 土屋幸浩1 木村邦夫1 唐沢英偉1 五月女直樹1 高橋法昭1 江原正明1 鈴木泰俊1 税所宏光1 大野孝則1 庵原昭一2
所属機関: 1千葉大第1内科 2千葉大第1外科
ページ範囲:P.265 - P.271
文献購入ページに移動細い穿刺針を使って腹部臓器を直接に穿刺し,診断に役立てる方法は最近臨床に一般的に行われるようになってきた.肝,腎の組織生検や吸引細胞診,膿瘍の穿刺ドレナージ,さらに経皮的穿刺による胆管や門脈造影などがある.体表に近い部位の穿刺は可能であっても,深い部位にあったり,穿刺目標物が小さい場合に確実に穿刺することは必ずしも容易ではない.X線透視によっても困難である.
生体内の構造を一つの断層面の映像としてとらえることのできる超音波診断はこのような臓器穿刺にきわめて好都合であり,穿刺の方向および深さを容易に決定することができる.1972年,Rassmussen,Holm1),Goldberg2)らは転移性肝癌,腎嚢胞,体腔内貯留液などの穿刺診断にBモードの穿刺用探触子を作製して応用し,その有用性を報告した,この方法はSmith(1974)3)により膵の細胞診や膿瘍穿刺に,またGrφvll,Conrad,Hanckeらにより同様の試みがなされている.わが国においても沢村4)の腎生検,横井,幕内ら5)の経皮的胆道造影,木村ら6)の膵細胞診への応用が報告され,さらに最近では電子走査形装置を応用し,実時間で映像を観察しながら穿刺手技を行う方法を著者らが報告している.
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